S様邸 おれのガレージ|栃木県佐野市

おれのガレージ(個人向け)


施工事例データ

住所 栃木県佐野市
費用 600万~
工期 2ヶ月
使用商材 電動シャッター(サンワ)・床(防塵塗料)・金属製サイディング

栃木県佐野市にお住まいのS様が、丸善工業に最初にお話しくださったのは、「新しいガレージが、家の雰囲気から浮いてしまわないか心配で」という一言でした。愛車をしっかり守れる本格的なガレージは欲しい。けれど、こだわって建てたご自宅の隣に、いかにも”物置”然とした無機質な箱がぽつんと建ってしまうのは避けたい。そんな、これまでのガレージづくりではあまり語られてこなかった、けれど本当は多くの方が心の中で感じている想いを、S様は率直に話してくださいました。

私たちがまず取り組んだのは、ヒアリングと現地調査です。ご自宅の外壁の色、屋根の形状、窓の配置、植栽の雰囲気――ひとつひとつを丁寧に見ながら、「このお宅なら、こんな佇まいのガレージが似合う」というイメージを、S様と一緒に組み立てていきました。フルオーダーの鉄骨ガレージは、サイズや間取りだけでなく、外観のデザインそのものを、敷地全体の風景に合わせて設計できるのが最大の強みです。既製品のカタログから選ぶのではなく、その土地、その建物のために、一棟だけの佇まいをつくる。それが、私たちが大切にしているものづくりの姿勢です。

ヒアリングの中でS様が何度も口にされていたのが、「大げさになりすぎないように」という言葉でした。立派すぎるガレージは、かえって暮らしの中で浮いてしまう。あくまで住まいの一部として、自然に溶け込む存在であってほしい――そのバランス感覚を汲み取りながら、私たちはサイズやデザインのひとつひとつを、控えめながらも存在感のある方向へと調整していきました。

設計がまとまり、いよいよ着工。まっさらな敷地に地縄を張るところから、S様邸の「おれのガレージ」づくりは始まりました。並行して、丸善工業の自社工場では鉄骨の加工が進みます。祖父の代から受け継ぐ鉄骨加工の技術を活かし、一本一本の鋼材を、図面通りの寸法とデザインに仕上げていく。この自社一貫体制こそが、フルオーダーでありながら、確かな品質と納期を両立できる理由です。

現場では、鉄筋を組んだ基礎工事から始まり、クレーンを使った鉄骨の建て方へと工程が進んでいきました。柱が一本、また一本と立ち上がるたびに、6m×6mの空間の輪郭がはっきりとしてきます。骨組みが完成した段階で、S様と一緒に現地で確認したのは、母屋との位置関係とプロポーションのバランス。「思っていたよりも、うちの家としっくりくる」というS様の言葉に、私たちも胸をなで下ろした瞬間でした。

外壁と屋根の仕上げでは、母屋の色味や質感に寄り添うグレーを採用。遠目から見ても、後から付け足した”別棟”ではなく、最初からそこにあったかのような自然な一体感が生まれました。床には、愛車のオイル汚れにも強い仕上げ材を採用し、日々のメンテナンスも気兼ねなく行える仕様に。出入り口には電動シャッターを設置し、両手がふさがっているときでもボタンひとつで開閉できる快適さを添えています。

完成したガレージは、外から眺めると母屋と寄り添うように建ち、まるで最初からワンセットだったかのような自然な佇まい。シャッターを閉めれば無骨に、開け放てば愛車がすっと顔をのぞかせる、表情豊かな一棟に仕上がりました。「家の雰囲気にあったガレージがほしかった」というS様の最初の想いは、母屋とガレージ、ふたつの建物が並ぶ完成写真の中に、しっかりと形になっています。

今、S様のガレージでは、電動シャッターを開け放ち、愛車を眺めながらコーヒーを飲む時間が、ちょっとした日課になっているそうです。オイル汚れを気にせず作業できる床のおかげで、休日にはボンネットを開けての軽いメンテナンスも気軽にできるように。ガレージがある暮らしは、車を「しまう」だけでなく、車と「向き合う」時間を増やしてくれる――S様のガレージライフは、その言葉をそのまま体現しています。

ガレージが完成してしばらく経った頃、S様からもうひとつ嬉しいお話をうかがいました。ご近所を歩いていた方に「素敵な離れですね、いつからあるお家なんですか」と声をかけられたそうです。まさに、後から付け足した設備ではなく、最初からそこにあった建物のように馴染んでいる証。「浮いてしまわないか心配だった」という最初の不安が、いつのまにか誇らしさに変わっていく――そんな変化を、私たちも間近で見届けることができました。